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FXのスキャルピング手法とは? メリット・デメリットや利益を出すコツ

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スキャルピング」は短期間で利益を狙える可能性があるトレード手法として、多くのトレーダーによって活用されています。

一度は取り組んでみたいと思いながら、「リスクが大きい」「初心者向きではない」といった情報を目にして、躊躇している方も多いのではないでしょうか。

本記事では、FXにおけるスキャルピングの特徴や注意点などについて解説していきます。

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スキャルピングについて

まずは、FXにおけるスキャルピングとはどのようなものか、基本的な方法と特徴について解説します。

スキャルピングとは

スキャルピングとは、数秒や数分単位で小さな売買を繰り返し、利益を重ねていくFXのトレード手法です。

英語のscalp”には「頭皮を剥ぐ」という意味があります。相場から頭皮を剥ぐように、薄い利益を狙っていくのが特徴です。スキャルピングでは、1日に数十回から数百回のトレードを繰り返すことになります。

スキャルピングの特徴

スキャルピングは、資金効率のよいトレード手法です。得られた利益を再投資することで、短期間で資金を増やせる可能性があります。

また、トレード1回あたりの為替リスクが小さいのも特徴です。スキャルピングはポジションの保有期間が短いため、万が一想定外の方向に相場が動いてもマイナスの影響を抑えやすく、大きな損失を被る可能性は低いといえるでしょう。

トレンドに沿って売買を行えば比較的大きな損失を被りにくいトレード手法です。

 


スキャルピングに向いている人

スキャルピングはどんな人にも向いている投資スタイルではありません。短期間に売買を繰り返すので、向いている人は以下のように限られています。

1日のトレード時間が確保しにくい人

丸1日トレードに集中する時間を確保することが難しい人は、スキャルピングで「1日2時間」などというようにトレードの時間を決めることで、短期間だけ集中してトレードすことができます。

例えば、ニューヨークの開場時間である22時くらいから2時間トレードするなどして、仕事終わりでもスキャルピングで利益を狙うことは可能です。

集中力が高く機械的な判断ができる人

スキャルピングは数秒~数分での売買を行うトレードスタイルであり、集中力と機械的な判断力が非常に重要です。

自分で決めたルールに基づいて、ある程度は機械的に損切りや利益確定を繰り返すことが求められます。

集中力と機械的な判断力に強い人は、スキャルピングに向いていると言われています。

短時間で大きな利益を狙いたい人

スキャルピングでは、レバレッジを活用することによって短期間で大きな利益を狙うことができる可能性があります。

実際に、1日2時間程度の短いトレードで大きな利益を獲得している人も存在します。

もちろん、損失が出る可能性もあリますが、短期間で大きな利益を追求したい人に選ばれるトレードスタイルでもあります。

 


FXのスキャルピングのメリット・デメリット

スキャルピングのメリット

スキャルピングには主に以下の5つのメリットがあります。

価格変動リスクを抑えられる

スキャルピングは短時間で取引を完了させるため、価格変動リスクを抑えることができます。価格変動リスクとは、価格の変動によって資産価値が変動するリスクのことです。ポジションを保有している時間が長いほど、価格変動リスクは高まります。

また、長期的なポジション保有では、資産価値の増減による精神的な負担も大きくなります。しかし、スキャルピングでは素早くポジションを決済することができるため、価格変動リスクや資産価値の増減による精神的な負担を抑えることができます。

資金効率が良い

スキャルピングは、チャンスがあれば1日に何度も取引を行います。取引が成功すれば、資金効率の良い取引スタイルです。FXにおける資金効率とは、口座の資金が増えるスピードを指します。

例えば、スイングトレードでは1回の取引で約100 pips以上の値幅を狙います。相場状況によりますが、2日から1週間程度の保有期間が一般的です。しかし、スキャルピングならば取引が成功すれば、1日で100 pips以上の値幅を狙うことも可能です。取引スキルが高まれば、より資金効率を見込める取引スタイルと言えます。

オーバーナイトによるリスクがない

スキャルピングは日をまたいでポジションを保有しないため、オーバーナイトによる損失のリスクはありません

しかし、寝ている間はチャートを監視できないため、深夜に相場が急激に変動した場合には想定外の損失が発生する可能性があります。また、保有しているポジションが気になってしまい、なかなか眠れないこともあるでしょう。

しかし、スキャルピングではその日のうちに全ての取引を完了させるため、オーバーナイトのリスクを気にする必要はありません。

仕事で忙しい方でも取引しやすい

スキャルピングは短時間で取引を完了させるため、仕事で忙しい方でも取引しやすいと言えます。例えば、仕事から帰ってきて休憩した後に、1時間だけ取引をすることも可能です。

また、ちょっとした空き時間を利用して取引することもできます。普段仕事で忙しく、なかなかFXに取り組めない方は、スキャルピングを検討することも良いでしょう。

取引経験を積みやすい

スキャルピングは1日に何度も取引を行うため、取引経験を積みやすいと言えます。FXでの上達には、多くの取引経験を積み、失敗と反省を繰り返すことが重要です。ただし、単に適当に何度も取引をするだけでは上達しません。1回1回の取引に集中することが重要です。

 

スキャルピングのデメリット

スキャルピングには主に以下の3つのデメリットがあります。

瞬時の判断力やある程度の相場経験が必要

スキャルピングは短時間で何回も取引を繰り返すため、瞬時の判断力が必要とされる取引スタイルです。エントリーに躊躇してしまうと、機会損失を引き起こす可能性があります。また、損切りが適切に行われなければ、大きな損失を被る可能性もあります。

エントリーや損切りなどを瞬時に行うことは、見た目よりも実際には難しいものです。一定の取引経験を積み、精神的な強さも必要とされる取引スタイルと言えます。

集中力や精神的負担が大きい

スキャルピングはパソコンに張り付いて淡々と取引を行うため、集中力が必要な取引スタイルです。1回1回の取引を適当に行うと、損失を出す可能性も高くなってしまいますので、しっかりと相場分析を行い取引する必要があります。

また、損失を出しても感情に流されずに冷静に取引を行う必要があります。精神的な強さも求められる取引スタイルです。短時間の取引であっても、集中力や精神的な負担は大きいものとなります。

取引コストがかかる

スキャルピングは取引回数が多いため、取引コストがかかる取引スタイルです。FX取引では、取引ごとにスプレッドが発生します。スプレッドは手数料のようなものです。取引コストは必ず発生するため、損小利大の取引を心がける必要があります。

 


FXのスキャルピングで利益を出すコツ

スキャルピングはある程度の相場経験が必要ですが、取引スキルを身につけることで資金効率や時間効率の良い取引スタイルです。

以下では、スキャルピングで利益を出すためのコツについて詳しく紹介します。

利確と損切りの判断を瞬時に行う

スキャルピングは利確や損切りなど、売買判断を瞬時に行うことが利益を得るコツです。

主に使用される時間足は1分足や5分足など、短い時間足です。値動きが速く、ためらっているとエントリーできず、また予想外の損失を被る可能性があります。

特にスキャルピングの場合は、損失を最小限に抑えることが重要です。大きな損失を出すと取り戻すのに時間がかかりますので、判断が瞬時に行えない人は、指値注文や逆指値注文などの予約注文を活用することがおすすめです。

値動きが活発になりやすい時間帯や通貨ペアで取引する

スキャルピングで効率的に利益を得るためには、活発な値動きが見込める時間帯や通貨ペアを選んで取引することが重要です。FX市場は24時間取引可能ですが、常に活発に動いているわけではありません。

FXは為替差益によって利益を得る投資です。低いボラティリティの時に取引を行っても効率的な利益獲得は難しいと言えます。また、スプレッドの拡大や急激な価格変動など、さまざまなリスクが存在します。

これらのリスクを回避するために、まずは東京市場、欧州市場(ロンドン)、米国市場(ニューヨーク)で取引を開始することをおすすめします。これらの市場は参加者が多く、値動きが活発になりやすいため、成功すれば効率的に利益を得ることができるでしょう。

長期足のトレンドを分析する

スキャルピングは1分足や5分足といった短い時間足で取引を行いますが、それだけを重視して取引するのは避けましょう。FX相場は長期足のトレンド方向に沿って動く傾向があります。

短い時間足だけを見て取引をすると、高値や安値でのエントリー判断を誤る可能性があります。長期足のトレンドを分析し、現在の取引が順張りなのか逆張りなのかを把握しながら取引することも重要です。取引を始める前に必ず月足や週足などの長期足を分析しましょう。

自分で決めた取引ルールを守る

FXで長期的に利益を得るためには、取引ルールを厳守しながら取引を行う必要があります。FXの世界では勝率100%を達成することは不可能であり、プロトレーダーでも損失を出すことがあります。

不確実な相場状況で長期的な利益を得るためには、ルールを作り機械的に取引を行う必要があります。まず、エントリー、決済、ストップロス(損切り)の3つの要素を取引ルールとして明確に定め、必ず守りながら取引を行いましょう。



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